腰椎椎間板ヘルニアって ナニ?

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腰椎椎間板ヘルニアとは?
概要

ヘルニアとは、ラテン語で【脱出】という意味です。

何かしらの原因で周りにある組織の圧迫に耐えられなくなった臓器が、

組織の柔らかいところからはみ出して(脱出して)しまった状態の事をいいます。

つまり、正常にあるべき状態の位置から、飛び出ちゃった、、、、

って、いう事になります。

腰椎椎間板ヘルニアは、ヘルニアの一種であり、

椎間板の一部が正常の椎間腔を超えて突出している状態です。

で、

椎体と椎体の間には人体最大の無血管領域と呼ばれる椎間板が存在しています。

椎間板はゼラチン状の髄核とコラーゲン繊維からなる線維輪から成り立ちます。

線維輪の中央に髄核が存在しており、この髄核の一部が線維輪から

突出した状態を椎間板ヘルニアというのです。

多くの動物は脊椎を重力に垂直にして生活しているのに対し、

人間は二足歩行であるため、脊椎は重力と平行方向になります。

このため、立位だと椎間板に多くの負荷が加わってしまいます。

椎間板ヘルニアは、下部腰椎 (L4/5, L5/S1) に最も多く。

次いで、下部頸椎に発症します。

胸椎に少ない理由としては、
胸郭は椎体間の可動性が頚椎や腰椎に比べ低いからです。

また、神経根走行の関係から、下部腰椎では、上部腰椎に比べ、
神経根症状を起こしやすく、発見されやすい面もある事が言えます。

ちなみに、

高齢になると、下部頚椎は可動性が減少し、ヘルニアが起こりにくくなります。

で、比較的上位の頚椎病変を来しやすくなる傾向があります。

なので、椎間板ヘルニアは、よく動く脊椎の部分で起こりやすいことが言えるのです。

 

症状

初期には腰痛が出現し、その後、足の痛みやしびれが加わる人が多いです

痛みやしびれの程度は人によって、バラバラですが、

立ったり、座ったり、歩いたりもできないくらい酷くなる人もいるのが事実でしょう。

で、ちょっとした、動作で痛む事が多く、

咳やくしゃみで、腰に響いてしまう人もいるので、

日常生活が難しくなってしまう人も少なくありません。

腰痛に続いて太ももからふくらはぎや足先にかけて
電気の走るような痛みやしびれが加わってくることもあり、
そのほとんどが片側性です。

足の指先に力が入らなかったり、膝折れやスリッパが脱げるなど、

普段、気にせずにできる動作が難しくなったりして、気づくこともあります。

さらに、排尿・排便の感覚がわからなくなったりする場合は、
緊急に対処する必要が考えられます

 

診断

「X線検査」

椎間板ヘルニアそのものはX線に写りませんが、脊椎の骨の変化を見るのには有用です。

「MRI」:

椎間板ヘルニアの診断には、極めて有用です。

利点は、侵襲性が無く、容易に画像上でヘルニア形態を把握できること。

欠点は、CTに比べ、空間的分解能に劣ることがあることと、激痛を伴う場合、

安静が困難な為、MRI撮影自体が困難なことなどが挙げられます。

 

「ミエログラフィー」

造影剤を硬膜内に注入し、その形状で神経の圧迫の程度を見る方法。

MRIが普及したことと、注射や薬剤投与が必要なため、侵襲的検査なので、

行われる頻度は減少しましたが、手術を考慮するような例では必要なことも多いです。

 

「ディスコグラフィー」

ミエログラフィーに加えて、侵襲性が高い(痛いのである)
ことから行われることは少なくなりました。

ヘルニアの責任高位の診断、外側型椎間板ヘルニアの診断に有効なことがあります。

 

「CT検査」

ミエログラフィーやディスコグラフィーに合わせて、撮影することが多いです。

ヘルニアの骨性成分を見るために、あえて単純CTを撮影して、

比較することもあります。

 

治療

一般的には、進行性の麻痺症状がある場合を除き、保存療法を行います。

保存療法とは、

手術をするのではなく、運動や体操、リハビリなど、体を切らずに

なんとかして、治していこう!!

という治療の考え方です。

その中に薬物療法も含まれますが、薬物療法は、対処療法といって、

その場しのぎな治療思考であり、根本の原因を解決するにはなりません。
なので、
根本を解決させる治療を行う事が非常に大切だと感じています。

それが、

運動療法や体操、ストレッチなどを行う、リハビリテーションだと思っています。
まずは、どんな治療にせよ、しっかりとリハビリに取り組む事が一番かと思います。
疼痛が激しい場合は、硬膜外ブロックや神経根ブロックという、
ブロック注射治療があります。

これは、個人差があるので、一概に良いとは言い切れません。

薬物療法は、一時的には効果があるかもしれませんが、絶対と言っていいほど、

必ず、繰り返すので、依存を引き起こします。

この依存状態は、繰り返しブロック注射をする事により、

態勢ができてしまい、ブロック注射も後に効かなくなる傾向があるでしょう。
なので、ブロック注射は積極的には勧められないかなと感じます。

一番注意しなくてはいけないのは、排尿・排便障害が出現した場合です。

この場合は、神経まで影響している事が考えられるので、この場合は手術を考慮しても

よいでしょう。
保存療法で疼痛が軽快しない場合は手術療法が選択されますが、

手術に至るのは10~30%程度です。

後方からの椎間板切除術やレーザーで焼きとる方法や、

肉眼による手術のほかに顕微鏡や内視鏡を用いて

手術による侵襲をできるだけ小さくする術式があります。

基本的にはほとんどの場合で椎間板ヘルニアの切除のみで対応しますが、

同一椎間板での複数回手術例や巨大ヘルニアなどの場合は、

同時に脊椎固定術を追加することもあります。

手術療法での問題点として5~10%程度の再発があることがあげられ、

手術を受ける際には理解しておく必要があるでしょう。
何よりも、手術は最終手段だと考えて頂きたいと思います。
・保存療法で軽減しない、良くならない。

・少しも、痛みやしびれが変わらなくてつらい

・日常生活がこのままでは送る事も辛い
など、
本当にどうしようもない時に手術という判断を考慮するべきだと

私は、思っています。

是非、この部分を頭に入れていただけたら嬉しいなと思います。

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